「治った!と確信を持てる事例を増やすこと」が重要という話です。

「治った!と確信を持てる事例を増やすこと」が重要という話です。

 

治療の進化には総論の構築が必要です。
  
目の前の現象や症状に振り回されること無く、問題の本質をつかみ取るためには、大前提(解剖学/生理学的事実)と小前提(目の前で起こった事実)に基づき結論を導くことが必要。
  
  
日本語教育で論理的文章の書き方を学んでいないこともあり、若手のセラピストや学生の皆さんの中には、治療上の論理構築を苦手とする人が多いようです。 その苦手意識を払拭するための基本をまとめたいと思います。
    
 
 

1. 治すためのロードマップがありますか?

患者さんの症状や状態を改善するための明確なロードマップを持っていますか? 治療の方向性や目標を明確にすることで、より効果的な治療が可能となります。
  
  

2. ダメな治療の設計図の構築法

「疑似的臨床推論」になっていないでしょうか? 見かけ上は臨床推論(clinical reasoning)というちょっとファンシーな言葉を使った治療理路があってもだまされてはいけません。

これは仮説(推測)の上に仮説(新たな推測)を積み上げる方法です。しかし、この方法は砂上の楼閣で、推論を根拠にした推論ほど不確実なものはなく、その結果得られる論理展開は臨床の多様なバリエーションによって容易に崩れてしまいます。
 
  

3. 事実の積み上げが重要

治療の設計図を作るためには、事実の積み上げが不可欠です。事実とは、「Aを行ったらBが起こった」という結果の蓄積のことを指します。
この事実の蓄積を基に、治療の設計図を作成することで、治らないときの原因探求が可能となります。
  
 

4. 難渋した後の事実の価値

難しいケースでの治療が成功したとき、その経験は治療の設計図をさらに成熟させる要素となります。それは、難しいケースを乗り越えた経験が、新しい事実や知識をもたらすからです。
  
治療理論の枠組みから外れる例外が起こっても迷うことはありません。例外的な事例を治療理論に吸収することで、より成熟した設計図ができあがります。

結論

事実を積み上げ、それに基づいて治療の設計図を作成することで、治療の質を高めることができます。このようにして事実を積み上げて作られたものこそが、本当の治療の設計図であると言えるでしょう。
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