ストレートネックは胸郭から頸椎にかけての広範囲のマルアライメントです。これにより、多彩な症状が引き起こされますが、その治療法は確立されていません。今回は,ストレートネックの原因と治療法についてまとめてみました。
原因因子
ストレートネックに関連する因子は、原因因子と結果因子に分類されます。
胸郭の挙上を妨げる要因として腹筋群の過緊張に加えて、腹部内臓、中でも大網ー胃ー噴門ー食道の緊張の伝達が挙げられます。
また肩甲骨のマルアライメントの原因として腕神経叢や鎖骨下静脈、そしてそれらから分岐する枝の緊張まで姿勢に重大な影響を及ぼします。
下位頸椎のリアライン
下位頸椎を前方に引きこむ癒着を解消出来ると,下位頸椎が後方に移動しやすくなり,良姿勢を得るためのきっかけを作ることができます。
しかし、運動療法で頸椎を後方に移動させられるのは、癒着がごく軽い場合のみ(実質的には子どものみ)で、ほとんどの大人では運動療法による癒着の解消は期待できません。
この下位頸椎の前傾の原因因子として、星状神経節・頸長筋と食道背面の癒着が挙げられます。ここをリリースすると頸椎は後方に移動できるようになり、頭頸部・上背部・上肢にかけての不快感が一気に改善にむかいます。
症状が改善される理由として、星状神経節への刺激の減少と頸椎アライメントの改善という2つの要因が考えられます。
課題
課題は技術的に容易ではないということに尽きます。救われる人が相当に多いだけに、簡単な治療法を開発していきたいものです。